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カイコゲノム研究プログラム (SGP) について

 カイコゲノム研究プログラム (SGP: Silkworm Genome research Program) は、農業生物資源研究所が、蚕糸・昆虫農業技術研究所であった1994年からスタートし、現在は、昆虫ゲノム研究・情報解析ユニットに引き継がれています。2003年から農林水産省の予算的支援を受け、研究が大きく加速されています。

 カイコゲノム情報は、基礎昆虫学の発展のみならず、昆虫関連産業の振興や農業害虫制御技術の開発に必須です。 特に、カイコの属する鱗翅目(りんしもく)昆虫には、農作物に深刻な被害を与える害虫が多く含まれていることから、完全なカイコゲノム解読は、効率的な害虫防除法の開発に寄与できます。 また、世界の養蚕業や昆虫の特異的機能を利用した産業に大きなインパクトを与えるものと期待されています。

 SGPは、1996年に遺伝的地図、'BombMap' を公開し、さらに、1999年には、東京大学と共同で、部分的cDNA (complementary DNA: 相補的DNA) データベース 'Slikbase'を公開致しました。 SGPは、昆虫ゲノムとその関連分野の多くの研究者が携わっている'昆虫テクノロジープロジェクト'の立ち上げに貢献し、また、現在も中核的な役割も担っています。SGPでは、'BombMap' や 'Silkbase' を含め、物理地図情報、遺伝地図情報、EST (Expressed Sequence Tag)情報、およびゲノム配列情報のすべてを統合した統合データベース 'KAIKObase' の構築を進めています。

 昆虫ゲノム研究・情報解析ユニットは、ゲノムリソースセンターと共同して、SGPを推進し、その過程で得られたすべての情報はNIAS DNA Bankを通じて公開されています。

カイコゲノム研究プログラム (SGP)
独立行政法人 農業生物資源研究所 (NIAS)
305-8602 茨城県つくば市観音台 2-1-2